【左官と塗装の違いとは?】それぞれのメリットデメリットを紹介

こんにちは、ヤブ原産業株式会社です。
今回は【左官と塗装の違いとは?】についてお話していきます。
・「左官」と「塗装」の違いって何?
・それぞれの特徴を教えてほしい!
・メリットデメリットも合わせて知りたい!
という方に向けて、悩みを解決できる記事になっています。

なぜなら【弊社ヤブ原産業株式会社は、建築仕上材・改修材メーカーとして50年超の実績があり、建物を長持ちさせる改修工事のプロだから】です。
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住まいの新築やリフォームを検討する際、「左官」と「塗装」という言葉を耳にする機会があるでしょう。
どちらも建物の壁や床を美しく仕上げるための工事ですが、その本質はまったく異なります。
この記事を最後までお読みいただくことで、左官と塗装に関する知識が深まり、後悔のない住まいづくりを実現するための確かな判断基準を身につけることができるでしょう。
左官と塗装、その決定的な違いとは?
左官工事と塗装工事は、どちらも壁や床の仕上げに関わる工事ですが、その違いは「使用する道具」「材料」「職人の技術」という3つの点に集約されます。
1.使用する道具と技術
左官工事
・道具: 主に「コテ」を使用します。さまざまな形や大きさのコテを使い分け、材料を塗りつけたり、模様をつけたりします。
・技術: 職人の手作業による繊細なコテ使いが、仕上がりの質を大きく左右します。熟練の職人によるコテむらやテクスチャーが、唯一無二の風合いを生み出します。
塗装工事
・道具: 「刷毛(はけ)」や「ローラー」、「スプレーガン」などが主に使用されます。
・技術: 均一な塗膜(塗料の層)を形成することが求められます。職人の技術は、塗りむらのない美しい仕上がりや、塗料の性能を最大限に引き出すために不可欠ですが、左官のような手仕事による「意匠性」の幅は限定的です。
2.使用する材料
左官工事
土、砂、漆喰、モルタル、珪藻土、コンクリート、石灰、セメントなど、自然素材や無機質の素材を水と混ぜてペースト状にして使います。これらは「左官材」と呼ばれます。
塗装工事
ペンキ、アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料など、石油由来の合成樹脂を主成分とした液体状の「塗料」を使います。
左官材は、固まることで強度や機能性を発揮し、厚みのある層を形成します。
一方、塗料は、薄い塗膜で表面を覆い、建物を保護します。
この材料の違いが、それぞれの工事の特性や機能性に大きく影響します。
【左官工事の奥深さ】塗装とは異なるデザイン性と機能性を両立する唯一無二の魅力
左官工事は、単なる仕上げ工事ではありません。
それは、職人の感性と技術が融合したアートであり、住まいに温かみと個性を与える「意匠工事」です。
左官工事のメリット
1.無限のデザインバリエーション
左官の最大の魅力は、そのデザイン性の高さにあります。
材料そのものが持つ質感に加え、職人のコテ使いひとつで多種多様な表情を生み出すことができます。
・フラット仕上げ: 均一で滑らかな壁面。ミニマルで洗練された印象を与えます。
・波模様: コテの動きで波のようなゆらぎを表現。光の当たり方で表情が変わります。
・ストライプ柄: 直線的なデザインで、モダンでシャープな印象を演出します。
・櫛目(くしめ)模様: 櫛状のコテで模様をつけ、和風やアジアンテイストに合う独特の風合いを出します。
・コンクリート調・メタリック調: 本物のコンクリートや金属のような質感を特殊な左官材で再現します。
同じ材料を使っても、職人によって仕上がりは全く異なります。
これは、工業製品では決して真似できない、手仕事ならではの付加価値です。
2.優れた機能性
左官材は、デザイン性だけでなく、住まいの快適性を高める様々な機能を持っています。
・調湿性: 珪藻土や漆喰は、湿度が高い時には湿気を吸収し、乾燥している時には湿気を放出する「調湿」機能に優れています。これにより、室内の結露やカビの発生を抑え、一年を通じて快適な湿度を保ちます。
・消臭効果: 自然素材の持つ多孔質な構造が、生活臭やペットの臭いを吸着し、消臭効果を発揮します。
・防火性: 漆喰やモルタルは燃えにくい無機質素材です。特に外壁に使用する場合、優れた防火性能を発揮します。
・シックハウス対策: 近年の左官材は、シックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)をほとんど含まず、逆にVOCを吸着・分解する機能を持つ製品も増えています。アレルギーや化学物質過敏症の方にも安心して使用できます。
3.構造的な強度と耐久性
左官材は厚みのある層を形成するため、耐候性や耐久性にも優れています。
特に外壁では、塗り重ねることで建物の保護性能を高め、長期にわたるメンテナンスコストを抑えることができます。
左官工事のデメリット
1.高いコストと長い工期
職人の手作業に頼るため、どうしても人件費がかさみ、塗装に比べてコストが高くなります。
また、下地処理から中塗り、上塗り、そして各工程ごとの乾燥時間が必要となるため、工期が長く設定されます。
このため、大規模な工事には不向きな場合もあります。
2.職人による仕上がりの差
左官工事は、職人の腕前が仕上がりに直結します。
デザインの再現性や、ひび割れを防ぐための下地処理など、高い技術力が求められます。
依頼する際は、必ず施工実績を確認し、サンプルを提示してもらうなどして、仕上がりイメージを共有することが重要です。
3.ひび割れのリスク
地震や建物の動き、経年変化などによって、ひび割れ(クラック)が発生する可能性があります。
特に、下地処理が不十分だったり、乾燥期間が適切でなかったりすると、ひび割れが起こりやすくなります。
これは、仕上げの美しさを損なうだけでなく、水の浸入を招くリスクにもつながります。
【塗装工事の合理性】左官よりもコストと機能性を追求する実用的な選択
塗装工事は、建物の「保護」と「美観」を両立させる、最もポピュラーな仕上げ方法です。
塗装工事のメリット
1.短い工期と低コスト
ローラーやスプレーガンといった道具を使用することで、広い面積を均一かつ迅速に仕上げることができます。
これにより、人件費や工期を大幅に削減でき、左官に比べてコストを抑えることができます。
室内や外壁を気軽にイメージチェンジしたい場合や、部分的な補修を行いたい場合に最適な選択肢です。
2.豊富な色と機能性塗料
塗料は、混ぜ合わせることで無限の色を作り出すことが可能です。
メーカーが提供するカラーチャートだけでも数えきれないほどの種類があり、理想の色を追求することができます。
また、塗料は日々進化しており、特定の機能を持つ製品が数多く開発されています。
・遮熱塗料: 太陽光を反射し、建物の表面温度の上昇を抑えることで、室内の冷房効率を高めます。
・断熱塗料: 熱の伝導を抑え、冬は熱が外に逃げるのを防ぎ、夏は外からの熱の侵入を抑えます。
・防汚塗料: 親水性や超撥水性の性能を持ち、雨水で汚れを洗い流すことで、美観を長く保ちます。
・防カビ・防藻塗料: カビや藻の発生を防ぎ、建物の外観を守ります。
3.建物の耐久性向上
外壁塗装の最大の役割は、雨風や紫外線から建物を保護し、劣化を遅らせることです。
塗料が形成する塗膜が、建物の躯体を物理的に守るバリアとなります。
適切なタイミングで塗り替えを行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することができます。
塗装工事のデメリット
1.デザインの限界
塗装は、あくまでも均一な塗膜を形成することが目的です。
左官のように、職人の手仕事による複雑なテクスチャーや立体感のあるデザインを表現することは困難です。
2. 定期的なメンテナンスの必要性
どんなに高性能な塗料でも、その効果は永久には続きません。
紫外線や雨風によって塗膜は徐々に劣化し、防水性や保護機能が低下していきます。
一般的に、塗料の種類にもよりますが、7年から15年ごとに塗り替えが必要となります。
このメンテナンスを怠ると、以下のような問題が生じます。
・防水性の低下: ひび割れや塗膜の剥がれから雨水が浸入し、建物の内部構造を腐食させる可能性があります。
・美観の悪化: 色あせやチョーキング現象(塗膜が粉を吹いた状態)によって、建物の印象が悪くなります。
・建物の資産価値低下: 適切なメンテナンスが行われていない建物は、市場での評価が下がり、資産価値が低下します。
塗装は、一度きりの工事ではなく、定期的なメンテナンスを前提とした仕上げ方法であることを理解しておく必要があります。
左官と塗装、どちらを選ぶべきか?判断基準を徹底解説
左官と塗装、どちらを選択すべきかは、あなたの「目的」によって決めるべきです。
【判断基準1】重視するのは「デザイン性」か「コスト」か?
・デザイン性、個性的な風合いを追求したいなら「左官」
職人の手仕事による唯一無二の壁を求めるなら、左官一択です。
特に、リビングのアクセントウォールや、店舗の内装など、デザイン性を最優先する場所におすすめです。
・コストを抑えたい、シンプルな仕上がりが好みなら「塗装」
予算に限りがある場合や、コストパフォーマンスを重視するなら塗装が適しています。
豊富なカラーバリエーションで、シンプルながらも美しい壁を実現できます。
【判断基準2】「機能性」に何を求めるか?
・調湿・消臭効果など、室内環境の改善を求めるなら「左官」
湿気の多い部屋や、ペットのいる空間、アレルギー対策をしたい場合は、珪藻土や漆喰といった左官材がおすすめです。
・防水・遮熱など、建物の保護を求めるなら「塗装」
特に外壁の場合、建物を雨水や紫外線から守ることが最優先されます。
高性能な機能性塗料を使用することで、住まいの耐久性を飛躍的に高めることができます。
【判断基準3】「メンテナンス」をどう考えるか?
・定期的なメンテナンスの手間を減らしたいなら「左官」
左官材は耐久性が高く、塗り替えの頻度が塗装より少なくて済みます。
ただし、ひび割れなどの補修が必要になる場合があることは理解しておきましょう。
・メンテナンスを計画的に行うなら「塗装」
塗り替え時期が明確で、計画的なメンテナンスが可能です。
塗料の進化により、以前よりも塗り替えサイクルが長くなっている傾向があります。
【判断基準4】建物の「築年数」と特性を考慮する
建物の築年数は、最適な工法を選ぶ上で非常に重要な要素となります。
・築年数が古い建物なら「左官」
古い建物は、構造材が動いたり、歪みが生じたりしていることがあります。
左官材は、ある程度の厚みがあるため、これらの動きに追従しやすく、ひび割れなどのリスクを軽減できる場合があります。
また、昔ながらの土壁や漆喰壁との相性も良く、建物の雰囲気を損なうことなく修繕・リフォームが可能です。
・将来的な増改築やメンテナンスを考慮するなら「塗装」
将来的に増改築の可能性がある場合、塗装は塗り直しが比較的容易なため、フレキシブルに対応できます。
また、塗料はメーカーが提供するカラーチャートが豊富なので、同じ色を再現しやすいというメリットもあります。
左官と塗装の特性を理解し、理想の住まいを手に入れよう
左官と塗装は、それぞれ異なる目的と特性を持つ工事です。
どちらが優れているということではなく、あなたの理想とする住まい、そして建物の状態に合わせて最適な選択をすることが重要です。
最後に、それぞれの特徴をまとめました。
左官のメリット
・職人の手仕事による、唯一無二のデザイン性
・調湿・消臭効果など、優れた機能性
・高い耐久性
左官のデメリット
・工期が長く、コストが高い
・職人の技術によって仕上がりに差が出る
・ひび割れのリスクがある
塗装のメリット
・工期が短く、コストが低い
・豊富な色と機能性塗料
・建物を保護し、耐久性を高める
塗装のデメリット
・デザインの表現に限界がある
・定期的なメンテナンスが必要
建物の壁や床は、住まいの印象を大きく左右する重要な要素です。
単なる色やデザインだけでなく、素材が持つ質感や機能性、そして将来のメンテナンスまで視野に入れて、後悔のない選択をしてください。
もし、どちらを選ぶべきか迷っている、あるいは専門的な意見を聞きたい場合は、ぜひ専門家である私たちヤブ原産業株式会社にご相談ください。
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