外壁の左官仕上げのメリットデメリット!近年流行の左官外壁の秘密!

こんにちは、ヤブ原産業株式会社です。
今回は「外壁の左官仕上げのメリットデメリット!近年流行の左官外壁の秘密!」についてお話していきます。
・個性的な外壁工事を検討しているんだけれど、最近見かける左官の外壁がオシャレで気になる!
・自然素材を使った左官仕上げの外壁にしたいけれど、どんなものがあるのか詳細が知りたいな!
という方に向けて、悩みを解決できる記事になっています。

なぜなら【弊社ヤブ原産業株式会社は、建築仕上材・改修材メーカーとして50年超の実績があり、建物を長持ちさせる改修工事のプロだから】です。
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新築やリフォームで、外壁にこだわりたいと考えていませんか?
「外壁をおしゃれに仕上げたい」「自然素材を活かした家づくりがしたい」と考える方に近年人気なのが左官仕上げの外壁です。
昔ながらの技術でありながら、近年、再び注目を集めている左官仕上げの外壁。
その魅力は、規格化された建材では出せない、唯一無二のデザイン性にあります。
しかし、その一方で、サイディングなどの他の外壁材とは異なる特性やデメリットも存在します。
本記事では、左官仕上げの基本から、メリット・デメリット、さらに施工費用やメンテナンス方法まで詳しく解説していきます。
外壁リフォームや新築を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
外壁の仕上げ方「左官仕上げ」とは?
左官仕上げとは、コテや刷毛などの道具を使い、職人が手作業で外壁に材料を塗りつけて仕上げる工法のことです。
セメント、石灰、土、砂などの自然素材を主原料とした塗り壁材を使用し、職人の技術とセンスによって、様々な表情を生み出します。
かつて日本の住宅の主流だった左官仕上げは、高度経済成長期に工期が短く、コストを抑えられるサイディングが台頭したことで一時的に影を潜めました。
しかし、画一的なデザインから脱却し、個性的な住まいを求める現代において、その温かみのある風合いや豊かな表情が再評価され、再び脚光を浴びています。
外壁の左官仕上げに使われる主な材料の種類と特徴
外壁の仕上げにはサイディングやタイルなど様々な種類がありますが、その中でも左官仕上げは「コテを使って職人が塗り上げる工法」です。
手作業ならではの風合いや唯一無二のデザイン性が特徴であり、自然素材を用いることで人や環境にも優しい外壁を実現できます。
1.モルタル仕上げ
モルタルは、セメントと砂を水で練り混ぜて作った素材です。
表面に凹凸のあるリシン吹き付けや、コテの跡を活かしたコテ塗りなど、仕上げ方によって多様な表情を見せます。
【特徴】
・セメントと砂、水を混ぜたモルタルを塗り重ねる工法。
・1990年代までは主流の外壁仕上げで、重厚感や無機質な質感が魅力。
・サイディングの普及で一時衰退したが、近年は「レトロでモダン」な仕上げとして人気復活。
【メリット】
・高い耐久性
セメントを主成分とするため、非常に硬く、耐久性に優れています。
・コストパフォーマンス
他の左官材に比べて比較的安価なため、コストを抑えたい場合に適しています。
・メンテナンス性
劣化しても部分的な補修がしやすく、再塗装によって新築のような美しさを取り戻せます。
【デメリット】
・ひび割れ(クラック)
乾燥する過程で収縮するため、ひび割れが起こりやすいのが最大の弱点です。
・吸水性
表面に防水塗料を施さないと雨水を吸い込みやすいため、カビや苔が発生することがあります。
2.漆喰(しっくい)
漆喰は、消石灰を主成分とし、スサ(植物繊維)や糊などを混ぜて作られる、日本古来の伝統的な塗り壁材です。
城郭や寺社仏閣、日本家屋の壁に古くから使われてきました。
【特徴】
・石灰を主成分とする自然素材。
・防カビ性・調湿性・高いデザイン性を持ち、白く美しい外観を演出できる。
・ヨーロッパの住宅や日本の蔵にも使われてきた歴史ある素材。
【メリット】
・高い調湿・消臭効果
主成分である消石灰が多孔質のため、室内の湿度を調節し、快適な住空間を保ちます。
また、ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着・分解する効果も期待できます。
・防火性
不燃性の素材であるため、防火性に優れています。
・抗菌・防カビ性
強アルカリ性のため、カビや細菌の繁殖を抑制します。
【デメリット】
・ひび割れ
モルタルと同様に、乾燥や建物の動きによってひび割れが生じることがあります。
・施工の難易度
施工には高い技術を要するため、熟練の職人による作業が不可欠です。
3.珪藻土(けいそうど)
珪藻土は、太古の植物性プランクトン(珪藻)が海底や湖底に堆積して化石化した土です。
表面に無数の微細な孔が開いているのが特徴です。
【特徴】
・植物プランクトンの化石からできた土を利用。
・調湿効果や消臭性、防火性に優れる。
・ひび割れが生じても補修が比較的容易。
【メリット】
・圧倒的な調湿効果
その多孔質な構造により、漆喰を上回るほどの高い調湿効果を発揮します。
・消臭効果
細孔が悪臭の原因物質を吸着するため、消臭効果が期待できます。
・耐火性
不燃性の素材であるため、防火性に優れています。
【デメリット】
・強度が低い
モルタルや漆喰に比べると強度が弱く、表面が欠けやすい傾向があります。
・汚れやすい
表面の微細な孔に汚れが入り込みやすく、一度つくと落としにくい場合があります。
4.土壁
土壁は、文字通り土を主原料としており、藁や砂、水などを混ぜて作られます。
日本の風土に適した、最も古い塗り壁の工法の一つです。
【特徴】
・地域の土をベースに藁(スサ)や糊を混ぜたもの。
・各地域の風土を感じられる自然素材。
・日本の伝統建築にも多く用いられ、近年は自然回帰志向で注目を集めている。
【メリット】
・優れた調湿・断熱効果
土が持つ吸放湿性により、夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を保ちます。
・環境負荷が低い
天然の素材のみを使用するため、環境に優しく、解体後も土に還すことができます。
【デメリット】
・ひび割れや埃
乾燥や振動によってひび割れが生じたり、表面から土が落ちて埃っぽくなることがあります。
・施工期間
乾燥に時間がかかるため、他の材料に比べて工期が長くなります。
5.塗り壁材(既製品)
近年では、建材メーカーからあらかじめ調合された既製の塗り壁材が多数販売されています。
【特徴】
・既製品の塗り壁材を使用する工法。
・カラーバリエーションが豊富で、コテ模様・ローラー模様など自由度が高い。
・デザイン性を重視する現代住宅にマッチする仕上げ。
【代表的な商品】
・ジョリパット
砂と樹脂を混ぜた塗り壁材で、水に強く、ひび割れしにくいのが特徴です。
色やデザインのバリエーションが非常に豊富で、多彩なテクスチャを実現できます。
・ベルアート
セメント系とアクリル系の2種類があり、特にアクリル系は柔軟性があるため、ひび割れに強いです。
【メリット】
・豊富なバリエーション
既製品ならではの、多彩な色やテクスチャから選ぶことができます。
・安定した品質
職人の技術に左右されにくく、均一な仕上がりが期待できます。
・ひび割れに強い
樹脂などを配合することで、従来の湿式工法に比べてひび割れが生じにくい製品が多いです。
外壁の左官仕上げのメリット
個性的なデザインと自然の風合いが魅力の左官仕上げですが、他の外壁材と比較してどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
1.圧倒的なデザイン性
これが左官仕上げを選ぶ最大の理由と言っても過言ではありません。
使用するコテの種類、塗り方、仕上げの厚み、そして職人の手加減によって、一つとして同じものがない、唯一無二のデザインが生まれます。
例えば、コテを波のように動かすウェーブ仕上げ、コテの先で突いてランダムな模様をつけるスパッタリング仕上げ、砂利などを混ぜて立体感を出すリシン仕上げなど、その表情は無限大です。
また、サイディングのように継ぎ目がなく、シームレスで美しい壁面を実現できる点も大きな魅力です。
2.優れた機能性(吸放湿性、防火性など)
モルタルを除き、漆喰や珪藻土、土壁といった自然素材は、その多孔質な構造から優れた吸放湿性を持っています。
・吸湿
雨が降った後や湿度が高い時には湿気を吸収し、壁内部の結露を防ぎます。
・放湿
湿度が低い時には壁内部に蓄えた湿気を放出し、乾燥を防ぎます。
この機能により、建物の構造体を湿気から守り、耐久性を向上させる効果が期待できます。
また、これらの素材は不燃性が高く、万が一の火災の際にも燃え広がりにくいため、防火性の面でも優れています。
3.シックハウス対策
シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着・分解する効果がある製品も多く、健康に配慮した住まいづくりに貢献します。
特に、自然素材を主成分とする漆喰や珪藻土は、化学物質をほとんど含まないため、アレルギーを持つ方や小さなお子さんがいるご家庭にも安心です。
外壁の左官仕上げのデメリット
1.工事期間が長い
サイディングのように板材を貼るだけの乾式工法と異なり、左官仕上げは湿式工法です。
下地材を塗布してから、下塗り、中塗り、上塗りと何層にも塗り重ね、その都度しっかりと乾燥させる必要があります。
このため、天候に左右されやすく、雨が続くと工事が中断し、予定よりも工期が延びてしまう可能性があります。
一般的に、サイディングの約2倍の期間が必要だと考えておくと良いでしょう。
2.職人の腕によって仕上がりが左右される
左官仕上げは、まさに職人技です。
同じ材料、同じ模様を選んだとしても、施工する職人の熟練度やセンスによって、仕上がりは全く異なります。
インターネットやカタログの写真を見て「こんな風にしたい」と思っても、実際に依頼した職人の技術力が低ければ、想像と違う仕上がりになることもあります。
3.ひび割れ(クラック)が生じやすい
これが左官仕上げの最大のデメリットです。
特にモルタルは、乾燥収縮や建物のわずかな揺れによって、表面にひび割れ(クラック)が入りやすい性質があります。
・ヘアークラック
髪の毛のように細いひび割れ。
美観を損なう程度で、建物の耐久性には大きな影響はありません。
・構造クラック
0.3mm以上の幅のひび割れ。
雨水が侵入する可能性があり、建物の構造体に悪影響を及ぼすことがあります。
最近では、ひび割れを抑制するために、下地にメッシュシートを張り込んだり、柔軟性のある専用のシーリング材(コーキング)を塗り壁の途中に設けるなど、様々な対策が取られています。
外壁の左官仕上げにかかる費用は?
左官仕上げの外壁は、サイディングなどの工業製品に比べて費用が高くなる傾向にあります。
これは、職人の手作業による施工が必要なことと、材料費そのものが高価なためです。
【費用の目安(1㎡あたり)】
・モルタル仕上げ: 4,000円~8,000円
・漆喰・珪藻土: 6,000円~15,000円
・塗り壁材(ジョリパットなど): 5,000円~12,000円
※上記はあくまで目安であり、使用する材料の種類、仕上げ方法、建物の形状、職人の技術料などによって大きく変動します。
左官仕上げの費用は、材料費だけでなく、職人の技術料が大きな割合を占めます。
そのため、安さだけで業者を選ぶのではなく、実績や評判をしっかりと確認することが重要です。
失敗しないための外壁の左官仕上げ業者選びとポイント
左官仕上げは、業者や職人の技術によって仕上がりが大きく左右されます。
満足のいく外壁を手に入れるために、以下のポイントを抑えておきましょう。
1.実績と施工事例をチェックする
まずは、複数の業者から見積もりを取り、これまでの施工事例を見せてもらいましょう。
同じ材料でも、職人によって全く異なる表情になります。
あなたがイメージする外壁に近い施工事例があるか、しっかりと確認しましょう。
2.資格や保証の有無を確認する
左官の国家資格である「左官技能士」の資格を持つ職人が在籍しているか確認することも一つの判断基準になります。
また、施工後の保証制度が充実しているかも重要なポイントです。
3.担当者とのコミュニケーションを密にする
あなたがどんな外壁を理想としているのか、担当者としっかりとイメージを共有しましょう。
写真やサンプルを見せながら、具体的な要望を伝えることが大切です。
4.メンテナンス計画を立てる
左官仕上げは、経年劣化によってひび割れや汚れが生じます。
美しい外観を長く保つためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
・セルフメンテナンス
小さなひび割れや汚れは、ホームセンターで購入できる補修材を使って自分で手直しすることも可能です。
・専門業者によるメンテナンス
5~10年を目安に、プロによる点検や再塗装を検討しましょう。
特に、ひび割れが0.3mm以上になった場合は、専門業者に相談して補修してもらうことを強くおすすめします。
左官仕上げの外壁、メンテナンスの重要性と方法
左官仕上げの外壁は、その性質上、どうしても経年劣化による変化が避けられません。
しかし、適切なメンテナンスを行うことで、美しさと耐久性を長く保つことができます。
1.劣化のサインとチェックポイント
以下のサインが見られたら、メンテナンスの時期を検討しましょう。
・ひび割れ(クラック)
前述の通り、ヘアークラックか構造クラックかを見極めることが重要です。
・カビや藻、苔の発生
日当たりが悪かったり、湿気が溜まりやすい場所に発生しやすいです。
・色褪せ
紫外線によって色が薄くなることがあります。
・塗膜の剥がれ
経年劣化によって塗料が剥がれ、下地が見えてしまうことがあります。
2.定期的な清掃
外壁の美観を保つためには、定期的な清掃が有効です。
・高圧洗浄
専用の高圧洗浄機を使って、壁面の汚れを洗い流します。
ただし、水圧が強すぎると壁を傷める可能性があるため、注意が必要です。
・ブラシと中性洗剤
柔らかいブラシと中性洗剤を使って、優しく手洗いします。
3.補修と再塗装
ひび割れや塗膜の剥がれが見られた場合は、早めに補修を行いましょう。
・コーキング材
小さなひび割れは、ホームセンターなどで手に入るコーキング材で埋めることができます。
・専門業者による補修
大きなひび割れや広範囲の剥がれは、プロの左官職人に依頼して補修してもらいましょう。
再塗装のタイミングは、使用した材料や環境によって異なりますが、一般的には10年~15年が目安とされています。
再塗装することで、防水機能が回復し、建物の寿命を延ばすことができます。
人にも自然にも優しい左官仕上げの外壁
左官仕上げの外壁は、手間とコストがかかる一方で、サイディングにはない唯一無二の魅力を持っています。
・自然素材を使用し、人や環境に優しい。
・職人の手作業によって、世界に一つだけの個性的な外壁となる。
・吸放湿性や防火性など、優れた機能を持つ。
左官仕上げは、画一的なデザインから抜け出し、自分らしい住まいを追求する人に最適な選択肢です。
ただし、ひび割れのリスクや職人の腕による仕上がりの差といったデメリットもしっかりと理解した上で、検討を進めることが大切です。
この記事を参考に、あなたの理想の住まいを実現できる、最適な外壁材を見つけてください。
何かご不明な点はありましたか?
外壁の左官仕上げについて、さらに詳しく知りたいことがあれば、お気軽にご質問ください。
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