見えない雨漏りを可視化!赤外線調査で原因を徹底解明

「雨の日に天井からポタポタ音がするけど、どこから漏れているかわからない」
「壁紙にシミが広がっているけど原因不明」
こうした“見えない雨漏り”は、放置すると住宅の寿命を縮め、カビや腐食の原因になります。
近年、そんな見えにくい雨漏りの原因を突き止める方法として注目されているのが赤外線調査です。
この記事では、赤外線を使った雨漏り診断の仕組みやメリット、注意点までを詳しく解説します。
雨漏りの発見に赤外線が有効な理由とは?
雨漏りの原因を探るには、まず水の侵入経路を特定する必要があります。
しかし、屋根裏や壁内部を直接目視するのは困難で、従来の方法では天井を壊して調査するなど大がかりな作業が必要でした。
そこで登場するのが赤外線サーモグラフィ調査です。
これは、赤外線カメラを使って温度の違い(熱分布)を可視化し、水の侵入による冷えや湿気の異常を映し出す技術です。
・水がある場所は乾いている場所に比べて温度が低くなる
・赤外線カメラで撮影すると、温度差が色の違いとして表示される
つまり、目に見えない雨漏りの“痕跡”を壁や天井を壊すことなく確認できるのです。
雨漏り調査に赤外線を使うメリットとは?
赤外線による雨漏り調査には、以下のような大きなメリットがあります。
1. 非破壊で調査できる
建物を壊さずに内部の状態を調べられるのは、居住中の物件や賃貸住宅において特に大きな利点です。
修理が必要な場合でも、最小限の工事で済ませられる可能性が高まります。
2. 早期発見が可能
赤外線カメラは湿気や水分の存在を感知できるため、目に見えるシミが出る前の段階でも雨漏りの兆候をとらえることができます。
これにより、構造材へのダメージが深刻になる前に対応可能です。
3. 正確な補修計画が立てられる
赤外線画像によって被害箇所が明確になるため、無駄のない補修工事が可能になります。
修理範囲を限定できることで、費用や工期の節約にもつながります。
赤外線での雨漏り診断の流れを解説
雨漏り調査に赤外線を導入した場合、調査は以下のような流れで行われます。
現地確認とヒアリング
まずは建物の構造や雨漏りが疑われる箇所を確認。
過去の被害歴や発生状況もヒアリングします。
赤外線カメラでの撮影
壁や天井、外壁などを赤外線カメラで撮影。
温度差に応じて異常箇所を特定します。
必要に応じて散水試験を併用
実際に水をかけて、漏水の再現を試みながら赤外線画像で変化を観察します。
報告書の提出と補修提案
調査結果をまとめた報告書をもとに、補修の必要性と方法を提案。
写真付きでわかりやすい内容が一般的です。
雨漏りに赤外線調査を使う際の注意点
非常に有用な赤外線調査ですが、万能というわけではありません。
導入を検討する際には以下の点に注意が必要です。
1. 気象条件に左右される
赤外線カメラは外気温や日射の影響を受けやすいため、調査に適したタイミングが限られます。
例えば、晴天が続いた日よりも、雨の直後や曇天時の方が湿気が検出しやすいことがあります。
2. 専門的な技術が必要
赤外線画像の判読には専門知識が必要です。
カビや結露といった別の現象と誤認される可能性もあるため、信頼できる業者に依頼することが大切です。
3. 費用はやや高め
赤外線調査は高度な機材と技術を要するため、一般的な目視点検よりも費用が高くなる傾向にあります。
目安としては3万円〜10万円前後が相場ですが、建物の規模や調査範囲により変動します。
赤外線調査で雨漏りを見つけたあとの対応は?
赤外線で雨漏りの箇所が判明したら、次は原因となっている箇所の修理が必要です。
調査だけでは解決しないため、適切な施工業者に依頼して対応しましょう。
また、調査結果は保険申請や賃貸トラブルの証拠資料として活用できるケースもあります。
被害状況の「見える化」によって、貸主との交渉や費用負担の話し合いをスムーズに進めやすくなります。
雨漏りは赤外線で見える時代へ!トラブルの早期発見・解決に活用しよう
従来、雨漏りの調査は「壊して調べる」方法が主流でしたが、今では赤外線カメラを活用することで、非破壊かつ高精度の診断が可能になっています。
特に以下のような方には、赤外線調査の導入がおすすめです。
・原因がわからない雨漏りが繰り返し起きている
・賃貸住宅やマンションで調査範囲を制限したい
・修理費を最小限に抑えて効率よく補修したい
・保険申請のために客観的な調査資料が必要
見えない雨漏りも、赤外線の力を借りれば原因を「見える化」できます。
早期発見・早期対応によって、住まいの寿命を守り、無駄な費用を抑えることができるのです。